人に挫折のある限り世に横行する、流れのままにまかせておこうよ的な母性あふれる疑似タオイズムは目に余るものがあるのだが、自然を貫徹するという心意気が人間的な不自然きわまりない生活より厳しいものではないなどと、みんなほんとに思っているのであることか。そもそも社会の機構などというものは、多くはものごとの自然の成り行きを阻害し摩擦する熱を喰らっている。一方タオイズムとは悪しき人為はさらなる人為を以てしてでも粉砕した上で無に還すための戦いを、人間に迫る、凶悪きまわりない空想上の生きものだ。そんなものは手なずけたつもりでいるとかぷっとかじられて頭が欠けてしまうので、おれは正直、時にしりごみしちゃうのだが。そういうのかっこいいなあと思いつつ、税金払ったり、年賀状を出しあったりしてなんかお茶を濁している。