お役人でもなんでもないのに霞ヶ関の官庁街を抜けるような通勤経路をとっているので、昨日の帰りがけに、再稼働反対のデモにでくわした。万単位の人の海。官庁街ってときどき各種のデモが行われてて、でも多くの抗議は、組合の義理で駆り出されましたー恥ずかしいからあんま見ないでーみたいな感じの参加者が覇気もなくちんたら歩いてるだけだったりもするのだけれど、昨日見たそれは、何というか、根本的に気合いが違った。腰が抜けた姿勢で照れたようにしている人は見かけない。おじいさんもおばさんもギャルっぽい女の子も、みんな背筋が伸びて腹から声がちゃんと出ている。ニュースでは「市民が集まり」と表現していたけど、実際は、「市民」っていう歴史的にある種の政治性も帯びちゃった理念的な呼称よりも、いい意味で「土民の群」だとか「一揆」だとか、そんな言葉の方が似つかわしいような、雑多な人たちの集まりで、自分と変わらない普通の生活者である方々の感情の亢まりを強く感じた。おれは世情に疎いけど、あ、やっぱり怒ってる人はいっぱいいたんだ、と思いました。およそ生存に深く、直接に関係するような問題であればあるほど、感情とか体の下す判断は誤らないと感じます。