お金や印鑑が絡んだ用件でちょっと適当なことをされたので怒りをぶちまけた。正当な理由に基づき、しかし不当なまでに怒りをぶつけすぎて、どうにもドス黒い気分のまま放心していた駅のホームで春の陽光はやわらかいなあと思った。小さなことで激昂し、魔人になって世界を焼き払いたいとか思う自分は、春の日差しを浴びる虫の気持ちで人間世界を眺められたらいいと思う。明日は米を食おうかうどんにしようか、晩はそればかり考えていた。