この人はどういう虚構に寄りかかって生きているんだろう。ていう意地の悪い視点の是非。

多かれ少なかれ人間の自己イメージはいくつかの既存の型の寄せ集めみたいな面があって、単にそれらの型の組み合わせ方に独自性とか自尊心を見い出してんのかなーと思う。「ちょいワル」の「ナース」とか(なんかイヤだな)、「普通に見えるけど実は」「いろいろ考えたりしてる」「普通じゃないオレ」とか(それすごく普通だからな、おれよ…)。そんでそういう外部から提供された既成の部品に頼らずに、何か成立していられる実体のようなものが心にプリセットされてんのかというと、そこははなはだ疑わしいと思うわけで。

誰かが依って立つところの虚構を見透かせれば、その人の弱点を握ったようで気分がいいし(いいんだよ!)、自他の内の虚構なんて見つけ次第解体してまわりたいとも思うけど、そんなことをしてたら、いつかは見渡す限り焦土。そういうのにかっこよさを見い出すのは、たぶん幼さだと思う。