十九歳のある日、家で寝転がっていたら、やる気とか体の力が突然ごっそり抜け落ちてしまったことがある。頑張るどころじゃなくて、起き上がる気にもなれなくなって、なんだこれは…と思いながら半日ぐらい転がってたら、いつの間にか復旧した。今でもときどき思い出すけど、あれは一体なんだったのだろう。


おれは生命力が細い分、苦しむ力も弱いから、たとえ針がマイナスに転じてもその程度の障害で事なきを得るけれど、もしあの状態が恒常的に持続したら、それはほんとうにつらいことであると思う。何もしないことを責められる人がいるけれど、しないのではなく、やろうとしてもできなくて、誰にも見えないところで、自分自身に必死に耐えてる人もいるはずだし、そういう内的な戦いのことを考えると、強さって何だろうとか、思考はさまよい、拡散する。


生きている力がちゃんと意識に流入できる回路が整えられている時、心に湧き上がるそれはたぶん意欲とよばれるもので、意欲が果てる時、いろんな結びつきがふっとほどけて、そのままどこかにすべり落ちてしまうような、そういう気がする。そして、まだ生きている力が残っているのに、いろんな理由で体と意識の回路が断たれ、意欲が停止することもあって、それこそが、何だかかなしい。


日曜の昼からずいぶん暗いことを書いたけれど、今日は天気がよくて外が光ってて、体も夏に感応してます。遊びにいってくる。