昨日ってPRIDE10周年の日だったんだね。いろんなことが頭んなかでぐるぐるした。10年。立ち上げ当初は露骨にいかがわしい団体だったし*1、高田もヒクソンもあんまどうでもよかったけれど、当時のおれが神さまみたいに尊敬してた人が一枚噛んでたイベントなので、観ないわけにはいかなかったのだ。すぐにポシャると思ってたけど。


高校の帰りに本屋に駆け込んで速報探して*2、失望と感動がごっちゃになったものすごい苦い気持ちで立ち読みしながら涙出そうになって、でもやっぱり高田ヒクソンはどうでもよかったりしたこととか、店の外がいやな感じに薄暗かったりしたこととか。はっきり思い出してびっくりした。


もうああいうトラウマティックな神話に感動することはない。暴力芸術に関しては、技術論に多少の興味が残るぐらいだ。でも、なんというか、何かをファナティックに好きになるのって、覚めてしまうと、すごく寂しい。他人の殴り合いに祈るような気持ちで見入るなんて、たぶんまっとうな心理でないかもしれないが、あれ以来、誰に対しても、祈るような気持ちは知らない。殴った人も殴られた人も、結局殴れなかった人も、おつかれさまでした、と言いたい。

*1:その後しばらくは、うまくいかがわしさを隠蔽できてたわけだけど

*2:当時の田舎の書店には格闘技雑誌なんて二冊(二誌ではなく)ぐらいしか入荷されてなかったのだ。読んでたのは、町でおれともう一人だけ!