汗をかく季節になってきて、まあそうすっと体のにおいもわりと真骨頂的なアレになってくるじゃないすか、アレに。

職場にね、けっこう汗っかきなおじさまがいて、おれもかなり汗かく方だからわりとブラザー的な仲間意識を勝手に抱いてたんだけど、なんだろ、初夏を迎える今日この頃、えーっと、おじさん、カレーの香りを放ち始めた。キーマカレーの芳香がする。

まあそのふんわりとした薫風をね、体の方は過去の経験と照合して、明らかに「カレー」で「いい匂い」として認識しようとして、あわよくば食欲のスイッチをいれかねない勢いでして、しかしたとえいい香りだろうが何だろうが、それだけは阻止したいおれの心が必死になって暴れん坊を鎮めにかかる、精神と肉体の壮大な葛藤が、水面下で進行してます。

「なんかいい匂いがするー」
「はい錯覚錯覚。なんもしないよー」
「なにこれカレー?カレーじゃなーい?」
「カレーじゃないねー。おじさんだねー」
キーマカレー!夏野菜入りー!!」
「いやいやいやいやいやいやいやいや」
「食べたい食べたいお腹すいたー!!」
「いやいやいやいやいやいやいやいや!!」

仕事になんねえよ…