ウルトラマンが戦うのは地球の平和を守るためでなく、暴力に魅了された魂の病理ゆえでもなく、ただ胸のカラータイマーをピコピコいわせたいだけだから。胸のチャクラが高鳴るその束の間の時間だけ、彼は魂魄を取り戻し、ただしく世界に接続される。和音はあるべく均衡し、失われた時間が回復する。不必要なまでに敵の攻撃にその身を晒すのは、自らを犠牲に捧げなければ扉は開かないことを彼が知っているからだ。何度でもその至高の瞬間を夢見ながら、彼は地球人として生活し、怪獣の訪れを待ち続けている。