体のどこを探しても元気なんてものはない。それは口笛みたいに体のどこかから出そうとして出すものでなく、人格と人格の間にふいに生じ、やわらかい雨を降らせて消えていく雲のようなものだと思う。しかし天気は御しにくい。その振る舞いは星辰よりも気ままだし、地形のようには手が出せない。古来、幾多のエソテリストが敗北を喫し続けてきた所以。